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専門学校卒のぽんこつえんじにあが個人事業主になって書いているただの日記。

就職氷河期について調べてみた

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■きっかけ

Twitter(趣味垢)の方で、「就職氷河期世代」に関する話題がRT回って来た。 日本で(大きく)2度あったとされる「就職氷河期」だけど、ぼくは幸いにも直撃を免れていたので詳しく調べた事はなかった。

ので、せっかくなので今回これを機に調べて纏めてみようと思う。

なお、回ってきたRTは調べてみようと思ったきっかけでしかなく、別にそれ自体は特に生産的な話題じゃないので割愛。 「〇〇世代」として人を一緒くたにするのはどうかと思いますが、とは言え自分の一回り上の世代に ゴニョゴニョ な人が割合的に多いのも事実かな、って思います。

■日本に於ける「就職氷河期」について

Wikipedia先生曰く

(*‘▽’)おしえてうぃきせんせい!

就職氷河期(しゅうしょくひょうがき)は、社会的に就職難となった時期の通称。

概要説明はこれだけ。

ただ、その後幾つかの項目・説明を簡単に纏めるとだいたいこんな感じ。

日本に於ける就職氷河期は2度あったとされ、

1度目が「1993年から2005年」
2度目が「2010年から2013年ごろ」

とされている。*1

1度目に深くかかわるキーワードがバブル崩壊
2度目に深くかかわるキーワードがリーマンショックである。

簡単に表に纏めるとこんな感じ。 *2

氷河期 時期 関連する大きな出来事
第一次就職氷河期 1993 - 2005 バブル崩壊(1991年)
第二次就職氷河期 2010 - 2013 リーマンショック(2008年)

関連キーワードを時系列っぽく並べてみた

基本的にwiki先生の方に詳細書いてあるので、それぞれ細かい部分はそっちを参照してください。

◇第一次就職氷河期:1993-2005
  • 1985年ごろ:バブル景気(1988-1992)
  • 1991年ごろ:バブル崩壊
  • <この辺でバブル期の過剰供給から一転、新卒採用の抑制に転じ、雇用状況が悪化する。>
  • 1993~1997年:緩やかに景気回復するが、、、
  • 1997~1998年:大手金融機関の破たんが相次ぎ、再び景気が悪化。
  • <このあたり(1990年代後半期)で、派遣・フリーターなどの非正規労働者の増加が目立ち始める。>
◇第一次と第二次の間:2005-2010
  • 2000年台半ば:輸出産業の好転を受けて就職氷河期が一旦終結する。
  • <これを受けて新卒採用状況も改善し、求人倍率だけを見ればバブル期相当となるが、後述する「ブラック企業問題」に繋がる。>
◇第二次就職氷河期:2010-2013
ブラック企業問題

バブル崩壊直後からの雇用抑制の影響で、新卒採用を極端に減らし(下手をするとゼロ)た企業が少なからずあった。 この影響で、「採用が全く無い時期」が生まれ、この間に社員が全くいないと言う会社も少なくない。

(ちなみに、ぼくの経験した新卒入社の一社目もそんな感じだった)

これに該当する企業では、30代後半~40代以上の「バブル期のおっちゃん世代」「新人」の間に「約13年ぶんの空白世代」が存在する。 「20代後半~30代」の、いわゆる中堅世代で生きのいい連中がゴッソリ抜けており、新人を育てられない組織体制が出来上がっている場合が多い。

これが「採用抑制の結果、従業員の年齢構成がいびつになった」と表現される企業である。 (逆に言うと、このような年齢構造に陥っている会社は、バブル崩壊後に上記のようなテンプレ戦略を用いていた会社であると予想される)

前述した2005年頃の景気回復(第一次就職氷河期終結)を期に、新卒採用を再開した企業が多い。 2006年頃から、第二次就職氷河期に突入する2010年頃まで、それまで雇用抑制していた為に人手不足に陥っており、新卒採用増に反転している。

但し、上記の通り「いびつな年齢構造」「13年間の空白世代」が存在する為、 まともに人を育てる意識のある企業は少なく、新卒に「即戦力」を求める風潮が生まれたのがこの時期である。

酷い所ともなるとまともな教育も何もなく、過剰労働に新人を突っ込んだり、 OJT*5 などと称して未経験のまま(半ば経歴詐称で)現場に投げ込むと言う悪徳な企業も少なくない。(ブラック企業

各世代の年齢層まとめ

を、本当は作りたくてこれ(就職氷河期)について調べてたんだけど、思ってたより長くなっちゃったので、年齢層まとめは改めて書いてリンク張る事にします。

■関連URL

就職氷河期 - Wikipedia

失われた10年 - Wikipedia

失われた20年 - Wikipedia

団塊の世代 - Wikipedia

団塊ジュニア - Wikipedia

*1:就職活動時期は入社前に行われる為、景気の時期と求人倍率データの間に多少のラグがあったりするらしい。

*2:なお、就職氷河期というのは基本的に「求人倍率・有効求人倍率」だけで判断されるものらしく、第一次と第二次の間の2006年から2008年にかけては氷河期ではないとされている。 この間求人倍率的にいわゆる「売り手市場」となっていたが、景気や雇用状況が改善された訳ではなく、この頃から「13年間の空白世代」が生まれたり「ブラック企業」や「内定格差」という別な問題が併発している。 第二次就職氷河期に関してはこれらの問題に加えて更に不景気が直撃しており、バブル崩壊以降は悪化の一途を辿っている。(現在進行形)

*3:前述の通り、求人倍率だけを見ると好調だった新卒採用状況が再び悪化。 特に、リーマンショックのあった2008年の新卒生(2009年春卒業生)に関しては酷く、 就活時期には売り手市場が継続していたが、一転して「内定取消」を出す企業が続出すると言う事態に陥った。 当然、苦しくなったのは新卒だけに限らず、この当時「派遣切り」が流行語的に広まったのは記憶に新しい。

*4:2013年頃から緩やかに状況が改善してきており、少なくとも就職率データを数字だけで判断すれば2008年リーマンショック前の水準まで回復したらしい。 また、エンジニアに限って言えば現在はかなりの売り手市場と言われており、2017年現在はキャリアアップ転職に関しては好機と言える。 直近で大きな特需と言える2020年オリンピックを過ぎれば、いわゆるSIerを始めとしてかなりの冷え込みが予想され、特定業種に関しては史上の大規模縮小が見込まれる。 このあたりのタイミングで、前々から言われ続けている「人月商売の限界」を迎え、いわゆるIT土方に関しては大きな不景気を経験すると考えられている。

*5:On the Job Training 実務経験を通じて学ぶ、というのが本来の意義であるが、日本企業に於いては無責任な「放置プレイ」の代名詞である。 空白の13年間の上の世代、人を育てる能力のない老害が好きこのんで使う言葉の一つである。