ようこそここは俺のチラシの裏だ。

専門学校卒のぽんこつえんじにあが個人事業主になって書いているただの日記。

転職活動のすゝめ

諸事情あり、今が節目だと思ったので、エンジニアの「転職活動・転職」に関して、ぼくの思う所を文章にして残しておきます。

(*‘▽’) ひさびさに真面目なお話だよ!

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エンジニアが転職活動を始めておくべき幾つかの理由

はじめに

これは「転職のすゝめ」ではなく「転職活動のすゝめ」です。

実際に転職をするかしないかは別として、エンジニアは転職活動をすべきだと思います。

どうしてそう思うのか、自分なりに考えを纏めてみようと思います。

エンジニアが転職活動をするメリット

自分の市場価値を知る

兎にも角にも、幾つかの転職サイトに登録しておきましょう。 GREEやエン・ジャパン、paizaなんかも良いですね、転職に限らず、フリーランスも視野に入れてレバテックやギークスジョブ等に登録するだけしてみるのも良いと思います。

とにかく、今現在の自分の経験と保有スキルが、市場に於いてどれくらいの値(オファーレターや求人情報から大体の価格帯を把握する)が付いているのかを知っておくべきです。 社内政治や人間関係などで補正された社内評価に一喜一憂するよりも、よほどマシな指標になると思います。 上手くいけば社内での交渉材料になるかも知れません。

少なくとも、条件の良いスカウトメールが沢山来てくれれば、それだけで精神的な余裕になりますし、 もし現状よりも良い条件ならサクッとそっちに移っちゃえば良いのです。

一社の文化しか知らないのはリスクでしかない

会社の文化と言うのは一種の宗教みたいなもんです。

一つの宗教しか知らず、他の考え方を知らないと言うのは、そうと知らないうちに思考が偏り危険です。

また、その会社のやり方でしか仕事が出来ない人になりがちで、いざ転職しても新しい環境に適応するのが難しくなるでしょう、多分。

特に、会社規模が大きい老舗の企業であるほど独自の文化が構築・定着している度合いが強く、 そう言う所から出た事が無いと言うのはいわゆるガラパゴス状態で仕事をしているようなものです。

余談ですが、東芝電通などを見ていれば解ると思いますがでかくて有名どころであれば安心ではないと言う事はもう今更言うまでもない周知の事実かと思います。

一時期はそういう時代もあったのかも知れませんが、少なくとも今は大企業イコール安定とは言い難いと言うのは、大なり小なり皆感じている事だと思います。 では、今そんな時代に於ける「安定」とはいったい何か、と言う事を考えた方が良いのかも知れません。 例えば、仮に大企業が潰れたとしても簡単に他に行けるだけの力を身に付ける事、とか。

給与面の条件が向上し易い

恐らく、多くの人にとって、社内で地道に出世するよりも圧倒的に報酬が増える確率が高いでしょう。 (勿論、最大値で考えるならでかい所で出世すると言うのが良いでしょうが、期待値で見れば圧倒的に転職じゃないですかね)

特に、開発エンジニアとして常に第一線でやりつつ、同時に報酬も上げたい、と言う事になればもう社内政治よりも転職の方が圧倒的に合理的だと思います。

社内で出世となると、どうしても管理職的な役割の比重が増え、エンジニアとして第一線でバリバリやっていくと言う事から遠ざかりがち*1です。

役を付けて管理者にしないと報酬を上げられないという、日本企業式の評価制度の弊害だとぼくは思ってるんですが、 まぁとにかく、社内で出世して報酬を上げるよりも、転職によるキャリアアップの方が、開発エンジニアとしての身分のまま *2 報酬を上げる期待値は圧倒的に高いと思います。
(もちろん、技術一本でずっとやっていくとなるとギーク級のそれを求められるので、それはそう簡単な話では無いですが)

また、給与・報酬が上がればそれだけ余裕もできますし、自己投資もしやすくなります。 そうなれば更に技術力を磨くなり何なりと、色々と良いサイクルが生まれます。 技術力に於いても、先立つものがあって困ると言う事は無いでしょう。

お金はとても大事です。

労働環境の改善に繋がる

これはこれで大きなテーマなので、これだけを主題に一本書きたいレベルなんですが、転職は最終的に(業界全体的な)労働環境の改善に繋がると思っています。

どストレートに言えばブラック企業撲滅に対して有効だと思っています。

早い話が、辞めねーから調子乗るんですよ。

ブラック企業にも幾つか種類がありますが、何れに於いても共通するのは「なんだかんだ言って従業員が存在しているから存続できている」と言う一点に尽きます。

辞めないから奴らがのさばるのです、ただそれだけのシンプルな構造があるのです。

ブラック企業を辞めないと言う行為は、積極的か消極的かは置いといて、結果的にブラック企業の存在を肯定していると言う認識を持つべきです。

被害者でありながら同時に加害者に加担もしている、と言うのは皮肉な話ではないですか。

自分の為にも、皆の為にも、ブラック企業は辞めるに限ります。

逆に、劣悪な労働環境や低い条件では俺らはパシパシ辞めていくぞ、と言う事を奴等に理解させれば、奴等にとっても存続問題に直結しますので、最終的には業界全体的な労労働環境の改善に繋がると思います。

辞めると言うカードを切る為に

辞めると言うのは決して脅しの道具じゃありません、切って意味のあるカードです。

自らが辞めると言う事をカードにする為にも、己の技術力をナマクラにしていては話になりません。

きちんと市場価値と技術トレンドを見据えて、自己研鑽に励んでこそ、「辞める」「転職する」と言うのはカードに成り得ます。

(とか、偉そうな事を言っていますが、残念ながらぼく自身はそんなにレベルの高いエンジニアでは無いです。ごく普通のプログラマーです。 ただ、エンジニアとして生きて行く以上、気構えとしてはこういう姿勢でいたいと言う意識は持っているつもりです。)

そもそも日本の「転職」に対する認識

転職は「敗北・脱落」であると言う偏見

終身雇用と年功序列という 黴臭い 企業体質が根深い日本では、たとえエンジニアであっても「転職」は未だに否定的な見方をされる*3事が多いようです。

一社を長く続ける*4事が過剰に重要視されている。 一般事務職的な、或いは公務員的な職業観が強いのだと思います。

辞めずに続ける事、つまり継続する事に絶対的な価値基準がある。

いわゆる定型業務、言い方は悪いですがマニュアル仕事であれば、継続はそのまま経験となり力となります。 変化の無い(或いは緩やかな)業務であれば、経験に基づく習熟度のもたらす効果は大と言えるでしょう。

しかし、変化が早く激しい、技術者・エンジニアという職種に於いて、それは特に信頼できる指標にはならないと思います。 勉強や自己研鑽を怠り、ただ時間だけ経過したエンジニアに価値などありませんもの。 システムの規模を単純なステップ数だけで見積もるのと大して変わらない話です。

転職は「キャリアアップ」であると言う側面

もちろん、ネガティブな転職があるのも事実ですが、それだけではないと思います。

技術的なスキルを高めてより条件の良い所に行く、キャリアアップとしての転職という前向きでポジティブな「転職」というものがなかなか理解されません。 海外に於いては、ごく一般的なエンジニアの在り方だと聞いていますが、日本ではそういう認識はあまり持たれていませんよね。

技術者、エンジニアをはじめとして、いわゆる頭脳労働・知的生産活動に関しては、見合った報酬を求めて積極的に転職していく、人材流動性の高い業種であるべきではないかと思います。

それにより、玉石混淆の石の方は淘汰され、人材の質も高まる事になるのではないかと思います。

前述したブラック企業撲滅とあわせて、エンジニアの人材流動性が上がれば良い事づくめじゃないかなぁ、と思います。 勿論、その過程でブラック企業とあわせて似非ンジニアも撲滅されていくでしょう。

それが嫌だ、と言う人も少なからぬ一定数いると思いますけど、、、。

我々が「仕事」に対して求めるもの

仕事に必要な四要素

ぼくは仕事によって得られるべき重大な要素として、以下の四つを挙げます。

  • 報酬
  • 経験
  • 時間(或いは、裁量権
  • 関係
報酬

報酬は簡単、つまりカネですね。

技術力や開発貢献などの成果に対する、正当な報酬が必要です。

経験

その仕事を通して経験値を得る事。

スキルの向上に直結し、市場価値に繋がる事が大事です。 それによって次のカネに繋がり、良いサイクルが出来上がります。

時間

時間。

時間そのものが得られると言うよりは、時間の使い方に対する自由が得られる事、つまり自由裁量ですね。

time is money と言う言葉にある通り、時間はお金と同等の価値を持つ重要な要素です。

関係

最後に関係、これは人間関係つまりコネを指しています。

コネと言うと腹黒い、汚いイメージを持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、これも非常に大事なものですよ。

なお、ここで言うコネというのは、有力者に対するパイプだけの話ではなく、仕事仲間・同業者との横の繋がりも含みます。 と言うか、そっちが本命です。

所属会社は違うけど開発で一緒になった人から案件を紹介して貰ったり、或いはフリーランスの人から声を掛けて貰ったり、そういう繋がりって大事だと思います。 或いは、条件の良い別な会社に誘われる、いわゆるヘッドハンティングとかね。

四つの要素と会社の辞め時

まず、1つも得られないのは論外です、話になりません。 秒で辞めるべき

基本的には、4つのうち最低2つは得られるべきと考えます。 4つのうち3つ得られれば理想的な案件と言えるでしょう、4つ全て得られる事があれば奇跡と言って良いと思います。

4つのうち1つしか得られないのであれば、積極的な転職を考えるべき。 2つ得られていたとしても、先の通り最低ラインだと思ってるので、より良い条件を求めて転職活動を検討しても良いと思います。

纏めるとこんな感じ。

得られるもの 指針
論外。
積極的に転職すべき。
より良い条件を求めて転職活動すべき。
理想的。
奇跡。

勿論、得られるものが2つしかないけど、その要素がダントツで大きい(死ぬほど報酬が良いとか、週2で稼げるとか)って場合はまた話が変わって来るかと思いますが。



*1:むしろ、前線から退いて勉強から早く離れたいから管理職を目指す、と言う人もいるようなので、そういう考え方の人にとってはwin-winなんでしょうね。

*2:勿論、報酬を上げるにはそれ相応の市場価値と言う物が求められるので、ただ長い事エンジニアやってます、と言うのではお話になりませんし、管理職ではないにしても部下やプロジェクトメンバを統率し、率いていけるだけの能力は求められます。

*3:例えば、転職回数が多いとそれだけで不利になるそうです。本当に大事なのは転職回数ではなく転職理由だと思いますが。

*4:これを昔の人達は「勤め上げる」などと言うらしいです。ふーん。