(*'▽') 皆さん、グリザイユ画法ってご存知?
グリザイユ画法について
まずはこちらをご覧ください。
所謂アレです「色違い」ってやつ。
ぐりざいゆがほー?
絵の描き方って色々あるんですが、その中でもデジタル絵特有のとある絵の描き方があります。
グリザイユ画法といいます。
すげーざっくり書くと、グリザイユ画法と言うのはこんな描き方です。
- まず白黒で陰影だけを意識して描く。(ざっくり色アリで描いてからグレースケールフィルタ掛けても良い)
- 上からオーバーレイやスクリーンなど、レイヤ効果を使って色を上乗せする。
レイヤで後から色を乗せるというやり方なので、まぁ当然ですがアナログ絵では出来ない、デジタル絵に限られた方法ですね。
例えば先程のイラスト、肌の部分の色レイヤを外すとこんな感じになります。
これに、基本の肌色をオーバーレイと言う方法で乗っけます。
でもちょっとこれは肌の色がくすんでいると言うか、ちょっと血色が悪くて黒ずんでますよね。
と言う事で、赤と青のレイヤを用意して、スクリーンと言う方法で乗っけて色味を微調整します。
ちょっとイイ感じになりましたね。
この後さらに調整レイヤを加えたり、陰影のコントラストを修正したり、微調整を加えて完成形に持って行きます。
最終的にはこんな感じ。
プログラマならみんな大好きグリザイユ
グリザイユ画法は、上記のように「形・陰影を描いた白黒レイヤ」と「色を追加・調整するレイヤ」に分かれているのが特徴です。
このおかげで『色を乗せた後で、形だけ修正する』とか、『形は一切変えずに、色だけ好きに弄る』と言った事が出来ます。
つまり『形』と『色』が完全に分離されているので、それぞれを個別に弄る事が出来る訳です。
プログラマが好きそうな感じで言うと、こんな感じ。
『形状と色彩の実装が分離され疎結合なので仕様変更に強い』
ねっ、好きでしょ、こういうのw
インタフェースと実装の分離。
若しくは
モデルとビューの分離。
みんな好きだろ? 疎結合。
グリザイユ画法ってのはつまりそういう方法なんですね。
イラストに於ける DocViewアーキテクチャ
みたいなもんです。(てきとー)
グリザイユ画法のメリット
グリザイユ画法は、上記のように「形」と「色」が分離されている事で、それぞれを別途に作業出来ると言うのが特徴です。
このおかげで、白黒レイヤで形を作っている時は、色の事を全く考えず、形・陰影だけに集中出来る。
形を作ったあとは、その形を一切壊す事なく色だけを納得いくまで試行錯誤出来る。
通常の絵の描き方だと『色は美味く出せたんだけど形が失敗した』とか、逆に『形は超上手く出来たんだけど、色が気に入らない』、なんて事がよくあります。
形と色の両方に意識を割く必要が出て来る訳です。
最近のぼくの絵の描き方『半グリザイユ』
これはぼくが勝手に呼んでいるアレなんですが、『完全グリザイユ』と『半グリザイユ』というのがあります。
厚塗り
完全と半の話をする前に、まずこちら。
グリザイユ画法と同じく、絵の描き方の一つに厚塗りと言う方法があります。
これはまぁ割と解り易いと思いますが、特にレイヤを分けたりせず一枚のレイヤに直接ガシガシ描き込んで行くスタイルです。
完全な一枚絵なので、デジタル絵の中ではかなりアナログ絵に近い所があり、油絵のような描き方をイメージしてくれればだいたいそんな感じと言えるでしょう。
まぁ、詳しくはWkipedia先生に・・・って言おうと思ったんですが、どうやらWikipedia先生にも知らない事があるらしく、厚塗りのページがありませんでした。。。
変わりに 厚塗り とは
でググってみたらこんな説明がヒットしました。
厚塗りとは、透明度が低く塗り重ねが可能な画材(アクリルガッシュやポスターカラーなどの不透明水彩や油絵)を使った技法のことです。
明るい部分は明るい色、暗い部分は暗い色で、下の色を覆い隠すように塗り重ねていくのが特徴です。
(*'▽') あーそー、うんうん、こんなかんじ、こんなかんじ。
ちなみに グリザイユ画法 とは
だとこんな。
グリザイユ画法とは、下塗りの段階で白黒の陰影を塗り分け、そのあと色を重ねる技法です。
下塗りの前に白黒の陰影をつけることで、比較的短時間で立体的で厚みの絵を仕上げることができます。
(*'▽') うんうん、そんなかんじ。
完全グリザイユ
で、ぼくが勝手に呼んでいる『完全グリザイユ』ってのは、白黒の下塗りが一枚絵で、この一枚絵を厚塗り風に描き込むスタイルです。
最初のうち、グリザイユ画法を使いだした当初はこれに近いスタイルでした。
実際にはまったくの一枚絵で厚塗りではなく、こんなレイヤ構成だったんですけどね。
- ハイライトレイヤ
- 色レイヤ
- グレースケールの陰影(乗算)
- 線画
なんと、線画が一番下に来るという、普通ならまずやらない不思議なレイヤ構成。
具体的には、この DARKER THAN BLACK のアンバー絵なんかがその描き方です。
半グリザイユ
ですが、このやり方だとひとつ問題というか、気になる所がありまして。
線画が塗りに埋もれちゃうので、線のコントラストが弱くなりがちなんですよね。
線には直接色を付けつつ、その下でグリザイユ塗りをして陰影と色付けを行う。
と言う感じで、ハイブリッドでもないけど、まぁそんなやり方に落ち着いたんですよね。
レイヤ構成としてはこんな感じになります。
- ハイライトレイヤ
- 線画
- 色レイヤ
- グレースケールの陰影(乗算)
先の構成から、線画レイヤが上の方に上がって来た感じですね。
グリザイユ画法は良いぞ
グリザイユ画法の何が好きかって、とりあえずじゃじゃーっと描いたらくがき(線画と呼ぶにはあまりにも汚いやつ)に、強引にグレースケールで影付けて、じゃじゃーっと色を乗せてぶわーっとやったら、何かそれらしい絵が出来るってのがね。
例えばこのイラストとか、そんな感じです。
なんかこう、神秘的というか、もやーっとなって幻想的な感じの仕上がりになってイイよね。
手間のわりにイイ感じに出来上がるし、これを仮にアナログでやろうとしたらかえって難しいですし。